「 i love you 」

「 i love you 」

激しい雨の夜の下
傘をさして独り立つ

i love you
i love you

言い続けていないと
取り込まれそうになるんだ

i love you
i love you

僕の愚かさも弱さも危うさも
全部認めるから傍にいてよ

i love you
i love you

僕の言葉を信じちゃいけない
でも信じていて欲しい

i love you
i love you

(寂しいんだ
 穴が痛むんだ)

i love you
i love you

君が何者か
僕は知っているよ
いや、本当は何も知らないんだ
でも君が何者であろうと
そんなのはどうでもいい

i love you
i love you

君の意思も都合も関係なく
君は僕の特別だ
それだけは揺らがないし
嘘でもない

縋らせてよ
寄りかからせてよ
依存させてよ

こんな自分を
殺したくなるんだ

i love you
i love you

触れないままで
愛してみせるよ
何だってするよ
寂しい時は駆けつけるよ
嬉しい時は歌を歌うよ
だからもっと夢中にさせてよ

i love you
i love you

肉体や欲望や遺伝子の罪を
そういったものを超越した透明な場所で
密やかに手を繋いでいよう

胸が痛むんだ
寂しさが消えないんだ
流せない涙で溺れそうなんだ

i love you
i love you

心にとめておいてよ
確信していてよ
それだけでいいんだよ

i love you
i love you

覚えていてよ
僕を

僕も

それだけでいいんだよ


i love you
i love you



『逢う日、花咲く。』で第25回電撃小説大賞を受賞し、デビュー。著書は他に『明けない夜のフラグメンツ』『世界の終わりとヒマワリとゼファー』『君を、死んでも忘れない』『この星で君と生きるための幾億の理由』『あの日見た流星、君と死ぬための願い』

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