カテゴリー: 掌編

小説 掌編

【掌編】refrain restrain

お題:迷う人  言葉は、羽に似ている。 言葉は、鎖に似ている。 <手紙の誤配があったようです。申し訳ありませんが、気付かずに読んでしまいました>  あなたがくれた全ての手紙を右手に持って、私は海を見下ろす崖に立った。闇の […]

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【掌編】gray promenade

お題:無慈悲な人  灰色は、嫉妬の色らしい。  空は梅雨らしく陰鬱な雲を広げ、太陽の光を閉じ込めて仄暗く輝いている。今にも雨が降り出しそうだが、悲しみを避ける為の傘さえも、僕は持っていない。 二人でよく散歩をした遊歩道を […]

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【掌編】ポケットの中の相棒

お題:探偵 「くそっ、何でも屋と化してた俺には荷が重いって」  真冬の鋭い月が浮かぶ夜の町外れを、悪態を吐きながら自転車のペダルを漕ぐと、乱れた息が何本もの白い柱となって立ち昇った。 目的の工場が見えてきた辺りで太ももが […]

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【掌編】銀の牢獄

お題:待つ人  彼女は奇跡だった。 黎明の光の中でそれは踊る様に、唄う様に、自らも光を放っているかの様に美しく舞っていた。 彼女は希望だった。 いつも見上げていた。 ずっと眺めていた。 焦がれていた。 ――あなたはいつも […]

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【掌編】Lovers End Worlds

お題:再会  人類が未知のウィルスにより死滅してから、もう五十年が経つ。  科学者であった夫が作った私の義体は、必要な熱量の摂取さえ怠らなければ問題なく稼働し続けていた。彼の最期の贈り物――今も胸部ドライブで回転を続ける […]

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【掌編】Worlds End Lovers

お題:無口な人  釣竿とバケツを持って、私は家を出た。  立ち並ぶビルの廃墟は、それを覆う蔦や緑の葉を、今日も風に揺らしている。風に乱され視界を遮る邪魔な髪を耳にかけ、 緑の茂る廃墟の街を歩く。この長い髪が煩わしいと思う […]

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