※こちら↓を先に読んで頂いた方が楽しめるかと思いますが、強制はしません。『世界の終わりを君と』 ☁ ☁ ☁ 二人で、錆び付いた鉄道のレールの上を歩いた。 かつて世界を遍く満たし、そこにあった全ての業や咎、あらゆる絶 […]
【既刊宣伝】明けない夜のフラグメンツ
刊行済みの本の宣伝、第二弾です。 明けない夜のフラグメンツ サブタイトルとして、「あの日言えなかったさよならを、君に」というのが付いています。 表装が幻想的でとても綺麗。 素敵なイラストはへちま先生に描いて頂きました。 […]
【日記】インセンスが好き、の話
久しぶりの日記になってしまいました。 やることが色々あると、一日ってあっという間に終わりますね。 時間は矢のように流れ、記憶はどんどん薄れていく。 忘れてしまったことって、実際にはあったことなのに、思い出せなくなるとそれ […]
【掌編】白百合渡る蒼穹に
お題:猫とアオゾラ 盗んだパンを抱え、汚れた灰色の石の街を裸足で駆け抜けた。身に纏うのは街よりも汚れたボロ一枚。背に浴びる怒号は風よりも早く遠ざかる。私の足は、富と贅肉を持つ大人には決して捕まらない。 暗い路地裏の塵 […]
【掌編】「 snow letter 」
お題:恋愛 引っ越しの準備の最中、懐かしい本から、はらりと一枚の栞が落ちた。 月が、綺麗ですね それは何の柄もないただの厚紙で、その言葉だけがそっと囁くように書かれている。印刷ではないから、ユキの手書きなのだろ […]
【日記】アームスタンドで読書量が増えた、の話
今日は久しぶりに涼やかな晴れの日で、散歩に最適な一日だったわけですが、仕事があって散歩できませんでした。悔しい。何なの社会人って。 というわけで今日も日記にするようなことがないので、全然違うことを書きます。 . ここを見 […]
【掌編】Lovers End Worlds
お題:再会 人類が未知のウィルスにより死滅してから、もう五十年が経つ。 科学者であった夫が作った私の義体は、必要な熱量の摂取さえ怠らなければ問題なく稼働し続けていた。彼の最期の贈り物――今も胸部ドライブで回転を続ける […]
【掌編】Worlds End Lovers
お題:無口な人 釣竿とバケツを持って、私は家を出た。 立ち並ぶビルの廃墟は、それを覆う蔦や緑の葉を、今日も風に揺らしている。風に乱され視界を遮る邪魔な髪を耳にかけ、 緑の茂る廃墟の街を歩く。この長い髪が煩わしいと思う […]
【日記】モンステラの切り戻し、の話
在宅でテレワークをしてると、平日にはなかなか日記にするようなことがないですね。 とはいえ休日もこのコロナ禍では大したことも出来ず、「なるべく高頻度で日記を」と宣言したもののあまり書くことがないのです。 今日はくもりの天気 […]
【三題噺】イニシエのイヴ
ミス・ハダリーは、今日も美しい。 白く、陽の光を透かすような、その繊細な指先で。 ――ともすれば世界さえ、滅ぼしてしまいそうなほどに。 . 苔生す石畳。 無数の草花。 古い教会を再利用しただけのオンボロの建物。 […]