刊行済みの本の宣伝もやっていこうと思います。
(まだ三冊しかないですが…。増やしていけるようがんばります!)
まずはデビュー作のこれ。
逢う日、花咲く。
これは、僕が君に出逢い恋をしてから、君が僕に出逢うまでの、奇跡の物語。
以下は、メディアワークス文庫の書籍紹介からの引用です。
13歳で心臓移植を受けた僕は、それ以降、自分が女の子になる夢を見るようになった。
きっとこれは、ドナーになった人物の記憶なのだと思う。
明るく快活で幸せそうな彼女に僕は、瞬く間に恋をした。
それは、決して報われることのない恋心。僕と彼女は、決して出逢うことはない。言葉を交すことも、触れ合うことも、叶わない。それでも――
僕は彼女と逢いたい。
僕は彼女と言葉を交したい。
僕は彼女と触れ合いたい。
僕は……彼女を救いたい。
第25回の電撃大賞の選考委員奨励賞を受賞したので、特設ページがあります。
八月朔日 行兎(ほずみ いくと)というちょっと変わった名前の少年が主人公で、この特殊な名前が最終的にちょっと意味を持ってきます。
内容については紹介文を読んで頂くのが一番だし、変に補足して台無しにしたくないので、ここでは特に触れません。
が、それだけだとちょっと寂しい気がするし、せっかくブログを作ったので、著者の心の中だけの裏設定をちょっとだけ出します。
上に載せたキャッチフレーズで「奇跡」という言葉が出ていますが、僕はこの「奇跡」という言葉があまり好きではありません。
「奇跡」って一見綺麗な言葉ですが、それが指す事象の背景にある誰かの苦慮や想いや願いや試行錯誤や奔走を、「都合よく起こった素敵な超常現象」でひとまとめにして見えなくさせてしまうような、そんなちょっと無責任で投げやりな空気を感じるのです。
僕の中では、この物語で起こったことは、単なる「奇跡」ではなく、背景があります。
もちろん主人公の行動もありますが、それよりももっと上のレイヤーでの背景。
万能ではないどころか欠陥も多い、致命的に傷付きながらも根底は優しい、神様にはなれないある孤独な管理者の話。
いつかこの背景を、別の物語で描けたらいいなあと思っています。
「君の運命を塗り替える物語」、『逢う日、花咲く。』を、宜しくお願いします。